風日記soft6

普通の日記です。

七手詰

七手詰が一つの領域を作っていると感じるのは、 詰パラが長い間「小学校」として独立した部屋を設けていたせいなのかもしれません。 現在のパラ小学校では3手詰から7手詰まで幅広く出題するようになっているので, 最近この趣味に目覚めた方にはこの感覚はないのかもしれません。

  だが、パラノ小学校の所為だけではない何かもあるような気がします。 四つの王手が起承転結というリズムに合致するのでしょうか?

  パラからも「七手詰傑作集」「続七手詰傑作集」「続々七手詰傑作集」「七手詰パラダイス」 など、七手にこだわったアンソロジーがかつて出版されました。 それらをバイブルとして詰将棋を作り始めた私としては, ここで、ひとつの項目をおこすだけの価値はあるように思えるのです。

このエントリーはヒトケタの超短編ですので,詰将棋盤でお楽しみください。


超短編は大駒の足の長さをいかした,伸び伸びとした作品が大好きです。


改発 徹 詰将棋パラダイス 1957-6

この初手と3手目のコンビネーション。 これを表現したいのであって,手数を長くする必要は全くないのです。


畠山 広吉 詰将棋パラダイス 1987-5

易しい。でも,でも,この作意と変化の楽しさよ。


橋本 樹 詰将棋パラダイス 1977-7

作者はこの作品を選ばれるのは不本意だろうなぁ。 かわいらしい狙いはかわいらしく表現。


長谷川 哲久 詰将棋パラダイス 1979-7

作者はこの作品を選ばれるのは不本意だろうか。。。 大好きなテーマを完璧な表現で。


小川 宏 詰将棋パラダイス 1967-2

このテーマで自分で創ってみると, この作品の仕上がりの渋さがわかります。


南 倫夫 詰将棋パラダイス 1961-3

私はこの手筋をこの作品で知りました。


昼間 勉 詰将棋パラダイス 1968-8

幻の看寿賞受賞作品という話です。 この変哲もない形からうっとりさせる手順が。

2005-02-07 追記

小林敏樹さんより,本図に余詰があるとの指摘をいただきました。

カルタに入っている、昼間作7手は余詰があるようです。
余詰▲42飛△23玉▲13飛成△34玉▲33龍△45玉▲43龍△同馬▲同飛成 △35玉▲44角成△46玉▲54馬△56玉▲23角△45歩▲同角成△47玉▲36馬 △57玉▲35馬△66玉▲46龍△56歩▲55龍△67玉▲68銀△58玉▲56龍△48玉 ▲57馬△38玉▲47龍△29玉▲49龍△28玉▲39龍△17玉▲19龍△26玉▲27歩 △37玉▲38歩△同玉▲39龍まで45手詰
高坂さんがあるパンフに使っていた図面が微妙に異なるものだったことから 調べてみたもので、下記は高坂さんへのメールから。 カルタの(54馬/25桂)の出典はどこだったのでしょうか。
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T-Baseで検索してみたところでは、経緯は以下のようです。
1)S43-8鑑賞室 原図(54角/25桂)
2)S46-7「私の快心作」(54馬/25歩)

また「風みどりの玉手箱」-詰将棋いろはカルタ-七手詰 でも紹介されていて、そこでは(54馬/25桂)になっていました。 いずれにしても余詰は免れないようです。
この作品、7手詰めの歴史に燦然と輝く作品ですよね。 完全な図がきちんと伝わっていないために、正しく認知されて いない不幸な作品です。

この図をどこから拾ってきたかは,残念ながら覚えていません。 記憶違いだったのでしょうか? 若島正さんがどこかで,「昼間勉氏は(2枚角の長編が有名だが)れっきとした短編作家だ」 といった文章を書いていらっしゃったのですが,そのときに紹介されていたのかもしれません。 もしくは「余詰修正図という理由で看寿賞を逃した作品」といった文章をどなたかが書いていたのかもしれない。。。

ところで,桂馬を香車に換えてもだめのようですね。 うまい修正案はないものか。


小林 敏樹 詰将棋パラダイス 1985-7

浦壁氏作がヒントなのだろうが,見える人が創るとこういう作品が出来上がる……。