温泉で読んだ本
日本人の真価
この人の本を昔読んだことがあって--多分「若き数学者のアメリカ」かと「数学者列伝」だと思う--やはり両親が文章家だと、その影響もあって文章が巧いなぁと感心した記憶がある。
そこでふと目にとまったこの本を、文春新書かぁと思いながら手に取ったのだ。
読んでみて、驚くほど面白くなかった。
年寄はすぐに説教と自慢話をするものだ。
それを頭では理解しているのか、奥さんを登場させて筆者に痛烈な批判を語らせてうまく中和したつもりになっているようだが……もう全部駄目。
超圧縮地球生物全史
300頁で一気に生命の誕生から滅亡までを書いている。
スピード感が心地よい。
それにしても何度も何度も生命は絶滅しかけたものだ。
以前「目の誕生」という本を読んだことがあって、それだけで1冊になっていたが、本書ではまったく触れられていなかった。
代わりに脊索が背骨に進化する辺りは詳しかった。やはり書き手によって興味は色々なんだなぁ。
恐竜の呼吸システムについての話は興味深かった。気嚢についてもっと図解付きで詳しく説明してほしかった。
そういえばこんな本なのに原書は図は皆無で文章だけの造りだったそうだ。
本書には数は少ないが竹田嘉文(武田好文?)のイラストが掲載されている。アノマロカリスなどなかなかユニークな絵になっている。
この様な本は本当は図版や写真をたっぷりいれて作りたいのだろうけれど、そうすると費用が莫大なものになるからなぁ。仕方ないのかなぁ。
AI2041
人工知能が変える20年後の未来という副題。テーマ毎に短い10本のストーリーと取り上げた技術に関する解説という造りはとても読みやすく面白い試みだと感心した。
将棋などのゲームが20年後にどうなっているのかというテーマは取りあげられていなかった。
全体的に明るい未来が描かれているのだけれど、それが魅力的かどうかはよくわからない。