誰もが通る道
古作物
誰もが知っている有名な古作物。 初見の方のために,解答は白で書いてあります。ドラッグすると読めます。
作者不知と言われていたり,似た図がたくさんあったりします。 「待宵」や「妙案」など,出典や作者が明らかになっている作品も 混じっていますが,ここは研究のページではないので図面だけの展示でお許しください。
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有名な3手詰です。
角が左側に配置されている図もあります。 また,1六角の代わりに3四馬となっている図もありますが, これは後の人の改作図でしょう。
詰将棋を知らない人に本図を出題すると, まず52銀打,次に61角成,次に42や62に銀を打って見たり, 最後には全部清算しはじめます。
つまり,紛れをもっているのですね。
そして,遠くからただで成り捨てる正解に気づいた時の満足感。
妙手が含まれています。
2手目の応手がどちらの銀で取るかで,持駒をどちらに打つかが変わります。 これは,最近は「変同」といって嫌われるのですが 私がこの図に初めて出会った時のことを思い出して見ても, 「こうきたらこう,こうだったらこうか。なるほどなぁ」 …という感じで感心したものです。
つまり変化をもっているのですね。
紛れ・妙手・変化……詰将棋の要素を総てもっている簡潔な3手詰。 詰将棋入門作品の座は今後も不動かもしれません。
【解答】52角成,同銀左,42銀打 まで3手詰 -
有名な5手詰です。
3手詰ではありえない「捌き」の要素があらわれています。
「打ち捨て」より「成り捨て」さらに「打ってから捨てる」。 これが詰将棋の呼吸であるわけです。
捨て駒の意味も単純な「呼び込み」の捨駒ではないことに注目しておきましょう。 例えば,1一の香を角に替えて,持駒を「飛金」にした3手詰と比べて見てください。
さらに「打った駒が次の瞬間に邪魔駒となり直ちに捌き捨てる」という ストーリーを読みとることもできます。
【解答】23銀打,13玉,12銀成,同玉,23金まで5手詰 -
11手詰なので,出題する際には「歩は動かない」ぐらいはヒントを出しておいた方が いいかもしれません。
香が5枚あれば簡単に詰む。 でも香は4枚と角しかない。角の不自由さよ。 どうやって,角に5枚目の香としての役割を果たさせるか。
謎解きのテーマが明快に示されています。
さらに形の面白さ。実戦には絶対に現れない形ですよね。 パズルとしての独立宣言……といっては歴史的には間違いですが, 本図を「くだらねぇやこんなの」と思わずに 「ううむ」と考え出す人は,もうすでに詰将棋ファンの仲間入りという気がします。
【解答】52香,41玉,32角,31玉,21角成,同玉, 22香,31玉,32香,41玉,42香 まで11手詰 -
7手詰です。
初めて見たアンダープロモーションにショックを受けた人も多いと思います。 ちょっと詰将棋に慣れた目では一秒で解ける本作も忘れてはならない図ではないでしょうか。
【解答】23歩生(不成),11玉,12歩,同玉,32龍,11玉, 22龍 まで7手詰 -
ここから3題。私が昔,苦しんで解いた7手詰を並べます。
3手目の捨駒が衝撃的だったことを覚えています。
【解答】13銀,同桂,12金,同玉,21銀生,22玉,32金 まで7手詰 -
豪快な捨駒!
【解答】32飛,同金寄,42飛,同金直,74角,62玉,63角成 まで7手詰 -
玉方の桂香がきちんと動きます。
【解答】82銀,84玉,94金,同香,93銀打,同桂,73銀生 まで7手詰 -
11手詰です。簡潔な棋形が食欲をそそります。
【解答】24金,12玉,23金,同玉,33角引成,13玉, 14銀,12玉,23銀成,21玉,22馬 まで11手詰 -
13手詰。
田舎のおじさんに出題されて四苦八苦して7手で解いたら,それは間違いだと 説明された時の驚き。
持駒ルールの奥深さを教えられる31歩の捨合でした。
7手目の局面を初形と比べて見たら,飛車が大桂馬に跳んでいるのですね。 6手かけて飛車をこのように跳ばす面白さです。
【解答】12歩,21玉,41飛生,31歩,11歩成,同玉, 31飛生,21銀,12歩,22玉,32桂成,同銀,11飛成 まで13手詰 -
15手詰です。
中合のおもしろさを紛れでなく作意表面に。
「圭」は「成桂」のことです。
【解答】24香,23銀,22歩,11玉,12歩,同銀,21歩成,同銀, 12歩,同玉,23香成,11玉,12歩,同銀,22圭(成桂) まで15手詰