第2話 12角(1)
詰将棋パラダイス 1980-1 改
13角が平凡な着手であるなら12角はどうか。 角が成る必要があるだけなら,23角でたりる。 12でなくてはならない理由が必要である。 これは,詰将棋になりそうだ。
本作は7手詰で実現可能と考えられる理由付けを3つ考えたうちの 第1作であった。
……しかし,本図を当時いろいろと指導してくださっていた
妻木貴雄氏(高校の先輩である)に電話で図面送稿をしていたときのことだ。
途中まで駒の配置を伝えたところで,先輩はこう言った。
「残りの配置は○○で,作意手順は△△だろう」
「……図星!」
先日亡くなられた北原義治氏に似たような話が残っている。
なにかの会場で大きな詰将棋の図面を貼りだそうとしたら,
北原氏が半分くらいの図を見て残りの配置と作意手順を見破ったという話だ。
妻木貴雄氏の話も嘘偽りない実話だから,北原氏の話も伝説ではなく
実話であろうと察することができる。
(この作品があまりにも見え透いていただけかも……)